ディーラー営業のカレンダー配りは必要か?経験20年以上のディーラー営業マンが解説します
ディーラー営業のカレンダー配りは必要か?経験20年以上のディーラー営業マンが解説します
今回の記事は完全にディーラー営業さんに向けた記事になりますので興味がない方は見ないでくださいね
題名への回答ですが結論は「カレンダー配りは必要ない」です
ここでお話すのはディーラー営業の立場からのお話ですが、きっとお客様の為にも結果的になると思います
何十年も前からの悪習「カレンダー配り」
今のあなたの上司は12月、どの様に言ってきますか?
- 「お客様のところへカレンダー配りだ!」
- 「1年の最後の挨拶回りしてこい!」
- 「何がなんでもカレンダー配り!例外は認めない。
公園に捨ててくるなよ」 - 「CS向上の為にカレンダー配りはあるんだ。
一件でも多く回ってこい」
本当にそうでしょうか?
私も昔は上司からこの様なことを言われてきたので何の疑いもなく
社内で一番多く回ってきたくらい、
- 一件でも多く回ればCS向上する
- 代替促進に繋がる
- 紹介が増える
- 点検などの入庫促進
こんな事を上司から言われていませんか?
カレンダー配りをする事のメリット
ディーラー営業がカレンダー配りをする事のメリットは以下の事が考えられます
- お客様の自宅で他メーカーの所有の有無
- 趣味などの情報収集
- リアルタイムでのお客様の悩みを共有出来る
カレンダー配りをする事のデメリット
- 年末はフロント業務が忙しく人員不足に陥りがち
- 若手社員がベテラン社員の運転手代わりにされる
- 稼働日が少ない
- マンションなどの顧客へのアプローチ
- 年配者へは喜ばれるが、果たして代替え需要はその顧客にあるのか?
- 年配者は話が長い。よって訪問件数が極端に落ちる日が出てスケジュールが組みにくい
カレンダー配りは本当に販売台数向上やCS向上に効果があるのか?
本当に効果あるのでしょうか?
そんな疑問から、異動先で検証してみたくなりある程度のデータが貯まったので確認してみました
2008年4月から2009年3月までの受注台数
2009年4月から2010年3月までの受注台数
2010年4月から2011年3月までの受注台数
2011年4月から2012年3月までの受注台数
2012年4月から2013年3月までの受注台数
2013年4月から2014年3月までの受注台数
2014年4月から2015年3月までの受注台数
2015年4月から2016年3月までの受注台数
2016年4月から2017年3月までの受注台数
2017年4月から2018年3月までの受注台数
2018年4月から2019年3月までの受注台数
2019年4月から2020年3月までの受注台数
2020年4月から2021年3月までの受注台数
カレンダー配り全力で行っていた時の受注構成比
新規店舗でカレンダーをしていない場合の受注構成比率
このグラフを見て
「ほら、やはりカレンダー配りは必要だ」
と思った方もいらっしゃると思います
・2008年からのデータは更に以前の営業担当からの顧客の引継ぎもあり、ユーザー数600名が元々いた状態からのスタートです
・2017年からのデータは少しだけ以前の店舗からそのままいただいたお客様の数が入っていますが20件ほどからスタートです
過去のデータ受注台数と新規代替紹介 をご覧頂ければカレンダー配りなどをしなくても新規店舗でも紹介をいただけるのがお分かりいただけると思います。
既存店舗と新規店舗のCSはどう変化したのか?
この表のとおり、カレンダー配りをしたかしていないかでCSアンケート結果は特段の変化はありませんでした
これからのデータによっては「やはりカレンダー配りは大切だ」
となる可能性もあります
ただ今現在では「影響は感じられない」という興味深い結果になりました
カレンダー配りは客観的に見て今の時代に合っているのか?
私たちディーラー営業はお客様とのコミュニケーションはとても大切です
ただし、昔ながらの根性論で寒空の中カレンダー配りを一生懸命に行っても実際にはあまり意味のない仕事だったりします
ここで私が申し上げたい事は、「カレンダー配りは今の時代に合っているのか?」
という事です
私が思うに
- 私たちが思っている程、お客様はカレンダー配りを重要視していないという事
- お客様が来店した時に有効なコンタクトが取れているかという事
- お客様の問題解決のお手伝いが出来る様に情報収集をしておくという事
一緒に働く営業、サービススタッフや事務の方の事も
ベテラン営業になればなるほど、カレンダー配りの件数が多くなってしまい、中には新入社員を使って運転手をさせていたり
師走の中スタッフが少ない状況でも勝手にカレンダー配りに出てしまったり
新年の初売りの準備もアプローチもせずに思考停止で外回りをしてしまったり
店舗での仕事は営業1人では出来ませんので他スタッフとの協力も大切だと思います
協力した方が結果的に売れる様になったり、シンプルに働きやすい職場になるかと思います
この検証で伝えたかったこと
現在のディーラー界隈では昔の営業スタイルが未だに蔓延していて
仕事をしている気になってしまって実際の数字については根性論になってしまっています
昔の良いところは残し、無駄だったり時代の流れに沿って変化していかなければならないところは分析して変える事が出来る体制を構築していかないといけないと思います
せっかくディーラーで長年働いてきたからこそ、間違いを認めて新たなディーラー像が描ければいいなと思います
にも記載させていただきました